『スキンシップ大百科(日高英治)』で距離が縮まると信じている方に送るレビュー
「●●というスキンシップはありすさんから見てどうですか?」
とか
「距離を縮めるためにはスキンシップですよね?」
という相談メールをたまにいただきます。で、最近気づいたのですが、そういった質問をされる方のほとんどが、今回レビューする『スキンシップ大百科(日高英治)』という教材をお持ちでした。
スキンシップについては、あちこちの記事内でさらっと書いてきたことはありましたが、「そもそも女性的にスキンシップはどうなのか」という根本的なところについては書いていない気がしましたので、本教材のレビューに絡めてまとめてみます。
目次【この記事の内容】
そもそも女性的にスキンシップはどうなのかということについて
スキンシップが良いか悪いかについては、各女性によってかなり見解が分かれると思います。ただ「好きな人から触られるのは嬉しいけど、嫌いな人から触られるのは嫌だ」という感覚は、女性以前に人であれば誰しも持っている感覚だと思います。
私も例にもれず、「好きな人とのスキンシップなら嬉しいけど、嫌いな人とのスキンシップだとストレスになる」と思っています。以前「2つの教材を使って彼女が出来た購入者様」の記事 にも書きましたが、相手との距離が縮まっていない状態でのスキンシップは単なる痴漢です。
スキンシップは、友人や好きな人と行うから心地よいのです。自分にとって魅力的に感じない相手とスキンシップをして距離が縮まることが本当にあるのなら、「痴漢被害者」や「セクハラ被害者」は存在しないはずです。接客のプロも同意見です↓
ドンキで酔っぱらった20代がナンパしてきて無視してたら尻を触ってきて、キレた私は警察に突きだしたのだけど
70万円示談金を取ったことがあります。キャバ客は「おさわり」ってそういう事だって何で分からないの?
— 派遣キャバ嬢さくら (@perorin2016) 2016年7月17日
なので、相手の女性から好意を抱かれていない状態で、男性側の感情のままに触ってしまうことは、相手の女性のあなたに対する嫌悪感を高める結果にしかつながらない、ということになります。私自身、そういった一方的なスキンシップを受けた経験がありますが、あれは本っっっっっっっ当にストレスになります。お願いですからやめていただきたいと本心から思います。
さて、『スキンシップ大百科』の販売ページには、
流暢な会話なんてできなくてもスキンシップを通じて肉体的距離を縮めれば女性との仲がどんどん深まるとは思いませんか?
とありますが、これは半分正解で半分不正解です。
なぜなら「スキンシップで距離を縮める」ということは「好きな人との間においてはあり得る」ことですが、「嫌いな人との間にはありえない」ことだからです。好きな人とのスキンシップであれば心地よいので好意も高まるでしょうが、嫌いな人とのスキンシップではストレスが高まるだけです。
つまり何が言いたいかと言うと「スキンシップは誰彼かまわず行うものではなく、あなたに対する好感度の高い女性相手に行うことで、起爆剤の役割を果たす恋愛テクニック」だということです。「女性の体に触る」というその行為自体は、下手をすれば「痴漢」「セクハラ」と、相手の女性から認識されてしまうほど影響力の大きいものであるため、相手の女性があなたに対して好感を抱いている状態がスキンシップにおける必須条件となります。
ちなみに、「車が来た時に危ないよと、肩を引き寄せる」や「相手のボケに対してツッコミを入れる時に、体を軽く叩く」というものは、女性との接触時間が1秒ほどですので、嫌悪感をそれほど抱きにくいスキンシップ(=相手側が嫌悪感を抱く前に接触が終わるため)です。
嫌悪感を抱きにくいですが、何度もされると累計接触時間がどんどん増えていきますので、それに比例して「好きな人なら好感度」「よく知らない人・嫌いな人ならストレス度」が上がっていきます。恋愛教材でよく言われているテクニックですが、あなたが女性からどう思われているかによって結果がまるで違ってきますので、このあたりはご注意ください。
…と、スキンシップに関する個人的な見解を述べてみたところで、本教材『スキンシップ大百科』のレビューを行っていきたいと思います。
『スキンシップ大百科(日高英治)』ってどんな教材?
『スキンシップ大百科』とは、女性との距離を縮められるスキンシップの取り方と手順を解説した、恋愛におけるスキンシップ解説教材です。著者は日高英治さん、『成功を引き寄せるファッションプログラムReal men’s gate』や『The Burning Mail』の著者の方でもあります。
教材名には「大百科」とありますが、百科事典のようにありとあらゆるスキンシップを種類別に紹介していくものではなく、あくまで「女性を落とす」という目的においてスキンシップをどのように活用させていくべきかを解説した、一般的な恋愛教材という印象でした。
教材本編は13本のMP3音声(収録時間計:2時間57分17秒)で構成されていますが、文章で読みたい方向けに、これらの音声は特典である「アクションプランシート(PDF54ページ)」に内容がまとめられています。
教材の学習順序としては、先に「アクションプランシート」を読んで教材全体の概要を掴み、その後音声を聴いて細かいテクニックを補完しつつ実践に赴く、という流れになっています。
教材の内容を見てみると、マインドセットから始まり、スキンシップに適したシチュエーションや男性側のキャラ設定といった事前準備、女性側が拒絶しにくいスキンシップの条件、場所別のスキンシップノウハウ、恋愛関係に発展させていくスキンシップ…と、基本的なところは押さえてきています。
「基本的なことを押さえているのなら、スキンシップを学びたい人には最適なんじゃないか?」と思われるかもしれませんが、個人的にはあまり万人にオススメできる教材では無いと思っています。
と言うのもこの教材は「あなたのタイプ」と「女性との距離」が正しくかみ合っていないと、瞬殺で「この人、無いわー」と非恋愛対象認定される内容だからです。
『スキンシップ大百科』を使えそうな人
『スキンシップ大百科』は購入者がオラオラ系男性であることを想定としたテクニックを展開していきます。ですので、基本的に女性に対してはひるむことなく終始上から目線で接していくことが求められます。
もちろん、今この瞬間にあなたがオラオラ系でないとしても、教材のマインドセットを実践して「俺は草食系からオラオラ系になる!」とご自身のタイプを180度変えていける自信と確信があるのなら、使用可能です。
会話内容やテクニックに関しては全て確認しましたが、何というか…「昭和のおじさん」みたいな印象でした。会話の切り返しに関しても、会社のセクハラ系上司が部下の女性に行うような会話でしたので、あまり洗練されているとは言いがたいです。
会話そのものは女性メインではなく男性主体で展開していきますので、女性を楽しませる『モテ会話マスタープログラム』とは全くタイプの違う会話を行っていきます。
男性主体の会話が悪いというわけではないのですが、そもそも男性主体の会話に女性が引き付けられるためには、あなた自身に相当の魅力があるか、女性側があなたに相当惚れこんでいるという条件が必要になります。そのため、「あなた自身の魅力が低い」「口下手である」「それ以前に女性との距離が縮まっていない」という状態で本教材のスキンシップテクニックを繰り出してしまった場合、即「この人、無いわ」と見切られます。
以上のように、実践者がオラオラ系であること、相手の女性から十分に惚れられていること、昭和風味の会話でアプローチしていくこと、と言う点を考慮すると、残念教材ではありますが『女性のマスターキーEVO』と相性の良い教材だと思いました(※効果がある、と言う意味ではありません)。
教材内の矛盾
その他、著者のテクニックに関するいくつかの矛盾点も気になりました。
「集団の場では必要以上に触らない」としているのに、満員電車や混雑したエレベーター内で抱き寄せるというテクニックを紹介していること。
「女性は褒めない」としているのに、待ち合わせ直後に褒めるテクニックを紹介していること。
「スキンシップは必然性のあるものにすること」としているのに、ツッコミの時に彼女の体を叩くことを推奨していること(※ツッコミ時、体に触ることは必然ではありません)。などなど。
こういった矛盾点は、読んでいて「何が正しいのか?」と混乱する原因になります。ですので、テクニックの方向性をきちんと統一するか、どのような場合において例外が発生するのかと言った補足を付けてほしかったと思います。
また、著者は教材内音声において
(女性は)彼氏候補ではない相手に体を触られることは不愉快でもなんでもない
スキンシップを受け入れられる相手は特別な存在
と発言していますが、その「特別な存在」になるためのノウハウ解説がかなり手薄です。
本教材は、販売ページの言葉を借りれば
流暢な会話なんてできなくてもスキンシップを通じて肉体的距離を縮めれば女性との仲がどんどん深まるとは思いませんか?
女性との距離を縮めたければ肉体的な距離を縮めるのが一番手っ取り早いからです。
のように「距離を縮めるにはまずスキンシップ」というスタンスです。しかし、そのスキンシップも著者曰く「特別な存在」になっていないと不愉快に思われてしまうそうです。
じゃあ特別な存在になるためには何を行ったらよいのか? という疑問が出てくるのですが、本教材ではその答えとして「スキンシップ」以外の方法があまり解説されていません。
数点紹介されてはいますが「間違ってはいないけど、正直それだけの要素で特別な男性になるとは思えない」ものでした。その要素を踏まえたうえで、どのように女性にアプローチして特別視されるのかを書いて欲しかったです。
会話に関しても、女性から惚れられている状態でないと逆効果。マインドセットでどれだけ自分を高めても、アプローチテクニックを飛ばしていきなりスキンシップに入っているので、「何から行えばいいのか?」「どの手順でスキンシップを行っていけばよいのか?」といった点でつまづきやすくなっています。
ですので私自身としては
流暢な会話なんてできなくてもスキンシップを通じて肉体的距離を縮めれば女性との仲がどんどん深まるとは思いませんか?
とは思えないのです。
「距離が縮まっている」という前提条件の下でスキンシップを行うから距離が縮まるのであって、スキンシップをするから距離が縮まるのではないからです。距離の縮まっていない状態でスキンシップを行ってしまっては、著者の言う通り「不愉快な男」、つまり痴漢認定されて終わります。
ですので、本教材を実践するには「あなた自身が上から目線のオラオラ系男性であり、かつ相手の女性から充分に惚れられていること」が必須条件となります。
『スキンシップ大百科』は、そういった関係性にある煮え切らない男性向けに、起爆剤となるスキンシップを提供する教材です。相手の女性と距離が縮まっていない状態や好意を抱かれていない状態では悪い意味での起爆剤になりますので、ご使用の際はよくよくご検討ください。
では、女性目線で採点していきたいと思います。
ありすが採点しました
価格は適切か?
14/20点
女性との距離が十分縮まっている人や好意を抱かれている人であれば、適切。
そうでない人にとっては費用対効果が低すぎるため不適切です。
また、本教材にはサポートが付けられていませんので、著者と二人三脚で向上していきたい、と考えている方には不向きです。
販売広告は適切?
12/20点
女性との距離を縮めたければ 肉体的な距離を縮めるのが一番手っ取り早いからです。
と、「肉体的な距離を縮めること(=スキンシップ)」から始める旨を推奨する記述が販売ページにありますが、教材内において
(女性は)彼氏候補ではない相手に体を触られることは不愉快でもなんでもない
スキンシップを受け入れられる相手は特別な存在
とも発言しており、「特別な存在になっていないとスキンシップは不可」としています。
スキンシップをすれば女性との距離が縮まる…と思って購入してしまう方がいそうですので、このあたりは景品表示法のうち「誇大広告」に触れる可能性がありますので、販売ページの記述を変更したほうが良いように思います。
非モテ男子でも再現可能なテクニックか?
12/20点
あなた自身が、本教材のスキンシップテクニックを実践する前に「オラオラ系男性に変わる自信がある」「相手の女性と充分に距離を縮められる自信がある」という場合においてのみ再現可能であり、逆に言えばそれ以外の場合では再現困難です。
女性に対してひるまず、常に上から目線で昭和のオジサン風味の会話を展開していくことも必須条件ですので、ある程度の図々しさと精神力の強さも必要となります。
応用可能な力が身に付くか
12/20点
やや身に付きにくいです。
と言いますのも、本教材はあくまで「すでに惚れられている相手」を対象に行うスキンシップテクニックだからです。そういった相手であれば、あなたからのスキンシップはほぼ抵抗なく段階的に受け入れていきます。「惚れられている相手に対するスキンシップ」がメインの解説であるため、「惚れられていない相手をスキンシップで惚れさせる」という初歩の初歩に関してはかなり手薄です。
そのため本教材のみで応用力を付けるには、一を聞いて十を知る程の理解力と、試行錯誤しながらどんどん実践していける行動力が必要となります。
女性がされて嬉しいテクニックか
12/20点
「好きな人からのスキンシップは嬉しい」と書きましたが、個人的に本教材の男性像でスキンシップをしてこられても、あまり嬉しいとは感じません。
と言うのもかなり自己中心的、空気を読まない会話、昭和風味の会話は、一人の男性として魅力的ではないからです。
手の繋ぎ方に関しても『TAV』のハンドテストのほうが的確ですし、キスの仕方についても『サイコロジカル法』のほうが良いです。
総評:すでに惚れられていて、起爆剤がほしい人向け
62/100点
著者も言っているように、スキンシップは「女性にとっての特別な存在」になっておかないと効果の見込めない恋愛テクニックです。
逆に言えば、女性からの好意が確実であるのなら、スキンシップを行うことで女性側の恋愛感情を高めることができます。
ですので、彼氏彼女として付き合い始めて2・3回目くらいのデートとか、そのくらいの近い距離感であればスキンシップにより効率的に女性側の好感度を高めていけます(※ただし、教材内のセリフは昭和っぽいのであまり真似しなくてよいです)。
女性の身体に触る、という行為である以上、教材のテクニックのうんぬんというよりも「相手の女性のあなたに対する好感度」が成否を分けます。
私自身、例えば「頭をポンポンと軽く叩かれる」というスキンシップに関しても、嫌いな人や距離のある人だと「やめてー! 髪型崩れる」とか思いますが、好きな人からされたら「えっ! 何なに!」とかなり感情を刺激されます。
本教材『スキンシップ大百科』はマインド論に関してはほぼ正論を述べています。特に『アクションプランシート』46ページからは、本教材に限らず恋愛教材を実践するのであれば、心に留めておいてほしいと素直に思える内容です。
ですが、そのマインドの上で展開していくスキンシップテクニックが万人受けしないので、教材としてイマイチな印象です。
「スキンシップを行って距離を縮める」というよりも「すでに惚れられている相手との距離をさらに縮める」のがスキンシップですので、ここは間違えてほしくないと思います。
『スキンシップ大百科』は、オラオラ系男性が、すでに惚れられている女性との距離を縮めるための教材。教材のテクニックが良いか悪いかと言うよりも、あなたが相手の女性から好意を抱かれているのかそうでないのかといった要因で成功するか否かが決まります。
ですので、まだ相手の女性との距離が縮まっていないとか、そもそも好意を抱かれているのか怪しいという場合は、まずスキンシップ無しで親しくなることから始めましょう。スキンシップを行うのは、そのあとです。
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